稲の花と梅の土用干し
雨の中、田んぼの見回りにいくと稲の花が咲いていた。
わずか2ミリ程の白くて小さな地味な花。
籾が二つに割れて小さな小さな雄しべが顔を出し、数日かけて穂の先のほうから下に向かって咲く。
花が咲いている時間は午前中のたった2時間ぐらい。
お米づくりを始めるまでみたことがなかった。
じつに美しい花。
縄文弥生時代の九州から始まったとされる稲作は3000年ほど。
稲はずっとこうして花を咲かせて、わたしたち人間のいのちをつなぎ今日の日本人の健康や繁栄を生み出してきた。
日本文化の基盤となる神聖な食べものだったのに、今では米価が下がり続け、お米だけでは農家の暮らしが成り立たなくなっている。
師匠と出逢い、自分たちが育てるようになって、美味しいお米を食べられることが感謝の源(みなもと)であり、日々のしあわせのひとつだと知ることができた。
米づくりにはとても大切な時期なのに台風が通過とのこと、大きな被害なく早く通り過ぎてもらいたい。
今年は娘が梅の土用干しを手伝ってくれた。
手が赤くなったとよろこびながら並べる娘。
とても頼もしく、うれしく、楽しい。
梅干しも自家製味噌も母であるわたしが娘へ伝えたい我が家の味。
敬愛する辰巳浜子さん「娘につたえる私の味」に
『食は「命をつくりこしらえる」だけでなく 「心をつくりこしらえる」』
と書かれていた。
『誠意と愛情によって作られる食べ物は、
血となり肉となって生命につながるばかりでなく、
その思いの中にもかかわりを持ってゆくものではないでしょうか。』
娘を授かり、お米や野菜を育てるようになってから、ますます沁み入る辰巳浜子さんの言葉。
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